呼吸器疾患について
呼吸器疾患では、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)、咳喘息と気管支喘息、睡眠時無呼吸症候群、高齢者の肺炎に注意が必要です。なお、睡眠時無呼吸症候群は咳など代表的な呼吸器症状はなく、ひどいいびきや昼間の強い眠気などの症状を起こします。こうした症状があったら早めに受診してください。
こんな症状があったら呼吸器内科を受診してください
- 咳が続く
- 風邪は治ったのに咳だけ残っている
- 喘鳴を起こした
- 息苦しい・呼吸しにくい
- すぐ息切れする
- 痰がからむ
- 発熱がある
- 寝汗をかく
- ひどいいびきを指摘された
- 昼間に強い眠気がある
など
主な呼吸器疾患
気管支喘息
気管支に慢性的な炎症があって、ヒューヒューゼイゼイという喘鳴発作を起こす疾患です。夜間や明け方に発作を起こすことが多く、適切な治療によるコントロールが重要な病気です。咳が続く咳喘息を放置していると気管支喘息になりやすいため、早期の受診が重要となります。 主な症状は、咳が止まらない、喘鳴、呼吸困難などです。発作を起こす原因になるのは、ダニやハウスダストなどのアレルゲン、タバコの煙、気温・湿度・気圧などの環境変化などがあります。 喘鳴発作を起こした際の吸入薬による治療と、炎症を鎮める治療を行うことで良好な状態にコントロールします。また、アレルギーがある場合には、できるだけアレルゲンと接触しないように心がけることも重要です。
急性気管支炎
肺炎
細菌やウイルスに感染して生じた炎症が肺にまで及んでいる状態です。高齢者の場合、風邪やインフルエンザで肺炎を合併し、急激に悪化して死に至ることもありますので、特に注意が必要です。咳や発熱が長く、呼吸が苦しいという場合には、すぐに受診してください。 主な症状は、咳、発熱、痰、息苦しさ、呼吸困難などで急性気管支炎とあまり変わりません。治療も気管支炎と共通していますが、進行している場合には入院が必要になります。 なお、肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による発症や重症化を防ぐことができます。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
呼吸不全や心不全につながる深刻な疾患であり、適切な治療を行わないと進行して命に関わります。肺組織が破壊される進行性の疾患であり、壊れた肺組織を回復させることは困難ですので、早期受診の重要性が高い疾患です。全身の酸素が不足してさまざまな臓器不全を起こす可能性がありますし、骨粗しょう症リスクも上昇します。 主な症状は、咳、痰、呼吸しにくい、息苦しさ、呼吸困難などがあります。習慣的に喫煙されている場合、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症・進行リスクが高いため、慢性的な咳や痰、息苦しさがありましたら早めに受診してください。受動喫煙によって発症することもありますので、注意が必要です。 吸入薬や内服薬などで炎症を鎮めます。また肺炎の重症化リスクが高いため、肺炎球菌ワクチンを5年ごとに接種してください。